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宿屋ぼぼ つづき2

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娘「ハレマ、フンとですだか・・・」
亭「あア、なんならうちへ奉公してくれてもいいんだ。サ、サ、ま、くわしい話はあとにして、疲れていなさるだろう。うちへ上がって、お休みなさい」

娘「おら、宿賃持ってねえ・・・」
亭「そんなもの、心配いりゃしねえ。さアさ・・・足ィすすいだら、この階段をトントントントーンとあがってナ、廊下ァ、まっすぐ行くと・・・右へまっすぐだぜ。左へまっすぐだど、非常口から落っこちて、小便つぼへはまるから・・・。右へまっすぐ行って、一番奥の部屋・・・ああ、六畳だ。そこがあいてるからナ、勝手に押し入れからふとんひっぱり出して休みなせえ」

娘「へ、ヘエ、すみましねえだ」
亭「昼間ンうちは、忙しいから、相手はできねえが、夜になったら、部屋へ行って、とっくりと相談に乗ろうじゃねえか、あ、真っ暗な中じゃ、人違いでもしたらいけねえ。ここに、麻裏の羽織がある。こいつを裏ッ返しに着て行くからナ。暗がりでも、手でなでて・・・。あァ、なでてごらん、エ、その手ざわりをよく覚えておくんだ、ナ。



 その手ざわりが入って来たら、黙って中へ入れるんだ。どんな悪いやつが狙うかわからない、その手ざわりがなかったら、大きな声を出してさわぎなさい。この手ざわりがあったら、黙ってる、えッ、何があっても声を出さない。いいね、わかったね?」
娘「へエ、ありがとうごぜえます。そんならおことばサあまえまして・・・」

 トントントントンと二階へあがる。
亭「おう、悪いヤツにゃ気をつけるんだぜ、おい・・・」

 なに、てめエが一番、悪い・・・。

笑い話 艶笑落語 『宿屋ぼぼ つづき3』 つづく

定本艶笑落語3 小島貞二編 噺家(橘家圓太郎)

 


公開日:

 
  •  制作者 seiwa
     年齢  じじ
     住処  埼玉県
     仕事  話し方教室講師
     

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