くせもの

お寺に泥棒が夜中にこっそりきて、お賽銭を盗んだ。箱へ入れて背負って仁王門をでようとすると、
仁王が見つけてむんずとつかまえて、ねじ伏せて大きい足でふむ。「おまえは何者だ」
泥棒はふまれたはずみに一発ブゥ、
仁王鼻をつまんで「くせーものォ」
泥棒「におうかァー」
小ばなし歳時記 加太こうじより
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浅草の観音様
浅草の観音様の仁王門の仁王は立派な体つきで、健康そのものである。そこで、紙を噛んで仁王のからだへぶつけて祈ると、紙が当たったところが丈夫になるといわれている。ある夫婦者が仁王門の前にきた。亭主が紙を噛んで投げると仁王のヘソのあたりに当たった。
女房がそっと亭主にいう「もすこし下のほうがよい」
小ばなし歳時記 加太こうじより
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最終更新日:2018/08/12