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氷煮

kobanasi        

 
 「お親父様、寒いはずでございます。このように氷が張りました」
 「どれどれ、ほんに厚く張ったな、寒中の氷は薬になるというからひとかけら喰ってみよう」
 「さあ、こう堅く氷っていては、とても歯が立ちますまい」
 「そんなに堅いか、それなら煮て食おう」

小ばなし歳時記 加太こうじより

冬の小便

 雪の夜なかに小便がしたくて目をさまして起きて立つ、厠が遠いので面どうだから廊下からしようと、雨戸をあけようとしたが氷りついてあかない。

 仕方なければ、かがんで敷居へ小便をたれかけ、氷をとかして、「しめた」とガラリと雨戸をあけてみたが、さてなんの用もない。

小ばなし歳時記 加太こうじより


 

裸まいり

 いまはすたれたが、かっては大寒という季節の区切りにはいると、神社仏閣に寒さをおかしてもうでる人が多かった。寒まいりというのだが、特に薄着をしていけばご利益があらかたで、裸まいりは、もっともよろしいとされていた。

 若い衆が集まって話をしているところへ、仲間のひとりがかけつけてきて
 「いま珍しいものを見た」
 「なんだい半さん、珍しいものってのは」
 「十八、九の女の裸まいりよ、からだの白いこと雪のようで、小股のきれあがったいい女だが、素っ裸で腰巻もしていなかった」
 「ふーん、それで、きりょうのほうはどうだ」
 「へへへ、顔は見なかった」

小ばなし歳時記 加太こうじより

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公開日:
最終更新日:2014/06/06

 
  •  制作者 seiwa
     年齢  じじ
     住処  埼玉県
     仕事  話し方教室講師
     

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