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あわてるな

kobanasi  
       

 
 べックがいった。
 「きのう公園を歩いていると、向こうから並んでやってきた老婦人と美しい若いレディが、道のくぼみのところで、ほとんど同時にころんでしまった」

 「へえ・・・それで、きみはどうした?」332  
 「ぼくは、むろんすぐにかけつけて、お婆さんの方を抱きおこしてやったさ」

 「ウソをつけ!きみが若い女性をさしおいて、お婆さんなんかを・・・」
 「まあ終りまできけ。そのとき美しいレディは、こっちを向いて脚をひろげたまま、なかなか起きあがれないでいたんだぜ・・・」 

西洋風流小咄集 より




二つの卵

 ゴントラン夫妻は、パリの植民地博覧会で、珍しい象の卵を一つ買った。
 生まれたらひと財産じゃないかというわけで、夫婦でかわるがわる温めて、カエすことにきめた。

 十日も、夫妻がひきこもっているので、怪しんだ隣家のデュラン夫人、「ご病気ですか?」と心配そうにお見舞いに来た。
 すると、ゴントラン氏は、
 「いやいや、象の卵をカエしているまっ最中なんです」

 「まあ、珍しいこと、見せていただけません?」
 といいながら、デュラン夫人は、毛布の下からそっと手をすべりこませた。

 「まあ、卵が二つですわね!感じますわよ。・・・一頭のほうは、もう、鼻をぴくつかせてますわよ」

西洋風流小咄集 より

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公開日:
最終更新日:2014/06/06

 
  •  制作者 seiwa
     年齢  じじ
     住処  埼玉県
     仕事  話し方教室講師
     

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