一日一善

シャリーは、信心ぶかくて、善良な心の持ち主であった。教会で、有りがたいお説教をきいてから、毎日、一日一善を実行しようと、心にきめた。
それから、二十五日間は、順調にいったが、二十六日目、家に帰ったとき、商売におわれて、一日中、何もしていないのに気がついた。
「さあ、たいへんだ。こんなにおそくなっちゃ何もできない。が、まあ、あす二つやれば、いいだろう」
と、心の中で、いいわけをしながら、ベッドにもぐりこんだが、どうにも気になってしかたがない。
こんな夜ふけでは、外に出たって、乞食はおろか、犬のこ一匹いるわけがない。
もんもんと考えあぐんだすえ、シャリーはたった一つのこされた一善を思いついた。
シャリーは、ガバッと、ベッドから飛び起きると、まっすぐに、ながい間、ひとりぐらしの雇い婆さんの寝室へ突進した。
当年六十歳になる婆さんは、かくて、シャリーの一日一善のお役にたったわけ・・・。
それから、二十五日間は、順調にいったが、二十六日目、家に帰ったとき、商売におわれて、一日中、何もしていないのに気がついた。
「さあ、たいへんだ。こんなにおそくなっちゃ何もできない。が、まあ、あす二つやれば、いいだろう」
と、心の中で、いいわけをしながら、ベッドにもぐりこんだが、どうにも気になってしかたがない。
こんな夜ふけでは、外に出たって、乞食はおろか、犬のこ一匹いるわけがない。

シャリーは、ガバッと、ベッドから飛び起きると、まっすぐに、ながい間、ひとりぐらしの雇い婆さんの寝室へ突進した。
当年六十歳になる婆さんは、かくて、シャリーの一日一善のお役にたったわけ・・・。
西洋風流小咄集 より
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公開日:
最終更新日:2018/08/12