ベッドに招く

フランスの老公爵夫人が、会合の席で、いくたりかの若い美しい貴婦人たちが、俳優をじぶんの家に招待するときいて、フンガイしていった。
「まあ、身分のある方々が、俳優をお招きになるんですって?わたしの若いころは、じぶんのところに俳優など招いたことは、一度もありませんでしたよ。そういう人たちは、かならずベッドにだけ迎えたものです」
「おまえは、わたしが、いくらいっても不注意が、なおらないね。お仕置きをしてやるから、こっちへきなさい」
旦那さまは、マリーを書斎へよびいれ、お尻をまくってぶとうとしたが、マリーも年ごろ、肉づきのいいお尻のなまめかしさに、ついフラフラとなって、ぶつのとは、まるでちがった方法で、お仕置きをしてしまった。
あくる日、奥さまの留守に、書斎のトビラを、コツコツとたたくものがいるので、「だれだ?」
と、旦那さまが、ドアを開けると、恥ずかしそうに、マリーが、立っていた。
「あの・・・旦那さま、今日は、シナの花びんを、こわしてしまいました」
「まあ、身分のある方々が、俳優をお招きになるんですって?わたしの若いころは、じぶんのところに俳優など招いたことは、一度もありませんでしたよ。そういう人たちは、かならずベッドにだけ迎えたものです」
西洋風流小咄集 より
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花びん
女中のマリーが、旦那さまの大切にしていた日本製の花びんをこわした。「おまえは、わたしが、いくらいっても不注意が、なおらないね。お仕置きをしてやるから、こっちへきなさい」
旦那さまは、マリーを書斎へよびいれ、お尻をまくってぶとうとしたが、マリーも年ごろ、肉づきのいいお尻のなまめかしさに、ついフラフラとなって、ぶつのとは、まるでちがった方法で、お仕置きをしてしまった。

あくる日、奥さまの留守に、書斎のトビラを、コツコツとたたくものがいるので、「だれだ?」
と、旦那さまが、ドアを開けると、恥ずかしそうに、マリーが、立っていた。
「あの・・・旦那さま、今日は、シナの花びんを、こわしてしまいました」
西洋風流小咄集 より
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公開日:
最終更新日:2018/08/12