チケット

かわいいスターのマリリーンを、一晩、五百ドルの約束で、寝室に連れこんだスミス君、ぜったいにつかれを知らないのです。
そして、そのつど、トイレへ・・・。
マリリーンは、びっくりしてしまいました。もちろん、顔を見られるのが恥ずかしいので、電灯は消してあったのです。
あまりのたくましさに、さすがのマリリーンも、あきれはてて、
「ねえ、スミス。あなたはどうして、こんなに?」と、きくと、
「おれは、スミスじゃねえよ。スミスのやつは、ドアのそとで、一回百ドルでチケットを売ってるんだ」
「昔はよかったなあ、昔は・・・」
ボギー爺さんは、いつもの話をやり出した。
「なにしろこのオクラホマだって今みてえに人間がウジャウジャいなかった。それに娘っ子だってみんなきれいで純情で、いまどきの若い者みたいに、浮気しようなどと考えている娘は一人もいなかったもんだ」
ボギーの婆さんが、口をはさんだ。
「そうともさ。昔はよかったねえ。いまどきの夫婦みたいにすぐ出るの別れるのという騒ぎもなかったし・・・それに、この辺に森や林が沢山あって、浮気しても見つけられる心配なんかしたことがなかったよ」
そして、そのつど、トイレへ・・・。
マリリーンは、びっくりしてしまいました。もちろん、顔を見られるのが恥ずかしいので、電灯は消してあったのです。
あまりのたくましさに、さすがのマリリーンも、あきれはてて、
「ねえ、スミス。あなたはどうして、こんなに?」と、きくと、
「おれは、スミスじゃねえよ。スミスのやつは、ドアのそとで、一回百ドルでチケットを売ってるんだ」
西洋風流小咄集 より
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問わず語り

ボギー爺さんは、いつもの話をやり出した。
「なにしろこのオクラホマだって今みてえに人間がウジャウジャいなかった。それに娘っ子だってみんなきれいで純情で、いまどきの若い者みたいに、浮気しようなどと考えている娘は一人もいなかったもんだ」
ボギーの婆さんが、口をはさんだ。
「そうともさ。昔はよかったねえ。いまどきの夫婦みたいにすぐ出るの別れるのという騒ぎもなかったし・・・それに、この辺に森や林が沢山あって、浮気しても見つけられる心配なんかしたことがなかったよ」
西洋風流小咄集 より
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公開日:
最終更新日:2018/08/12