ぶじょく
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警察へ呼びつけられた百姓息子のパーカ、いきなり、署長に、こうきかれた。
「娘は、おまえに、ひどく、ぶじょくされたと主張しているが、おまえのいいぶんはどうだ」
すると、パーカ、どもりながら、こう答えた。
「あっしが野良でしごとしとると、あの娘っ子が、自転車がパンクしたから、なおしてくれ、お礼はするというのでさ」
「それで、おまえは、なおしてやったんだな?」
「へい。すると、あの娘っ子は、お礼の金がないから、こちらへ来いといって、あっしを森の中へつれて行って、いきなり、パンティをぬいだんでさ」
「それで、どうした?」
署長は、思わず、のりだしてきいた。
すると、パーカ、首すじの汗を、大きな手でぬぐいながら、ぼそりといった。
「あんなパンティなんぞ、あっしには、はけないもんだから、かわりに自転車をとりあげたんでさ」
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受話器をとると、夫君のオーデル氏の声がきこえてきた。
「もしもし、オーデル家かね?」
「はい、そうです」
「きみは誰かね?」
「ぼくは隣のジョンです。これから拝借しようとしたら、あなたからお電話でしたので・・・」
「拝借ってきみはいうが、妻は承知したのかね」
「はい、奥さんはこころよく承知してくれましたので、もう少しで拝借してしまうとこだったんです。ですから、ただいまのベルがもう少しおそければ、万事用は済んで、ぼくは帰るとこでした」
と、ジョンが説明すると、オーデル氏は、怒声をはりあげて、
「チキショウ!夫の留守を幸いに、若い男に大事なものを貸すなんて、けしからん女房だッ!」
「娘は、おまえに、ひどく、ぶじょくされたと主張しているが、おまえのいいぶんはどうだ」
すると、パーカ、どもりながら、こう答えた。
「あっしが野良でしごとしとると、あの娘っ子が、自転車がパンクしたから、なおしてくれ、お礼はするというのでさ」
「それで、おまえは、なおしてやったんだな?」
「へい。すると、あの娘っ子は、お礼の金がないから、こちらへ来いといって、あっしを森の中へつれて行って、いきなり、パンティをぬいだんでさ」

署長は、思わず、のりだしてきいた。
すると、パーカ、首すじの汗を、大きな手でぬぐいながら、ぼそりといった。
「あんなパンティなんぞ、あっしには、はけないもんだから、かわりに自転車をとりあげたんでさ」
西洋風流小咄集 より
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拝借
オーデル夫人が、自宅で編物をしていると、隣家の息子が、電話を借りに来た。電話をかけようとした時に、ベルが鳴った。受話器をとると、夫君のオーデル氏の声がきこえてきた。
「もしもし、オーデル家かね?」
「はい、そうです」
「きみは誰かね?」
「ぼくは隣のジョンです。これから拝借しようとしたら、あなたからお電話でしたので・・・」

「はい、奥さんはこころよく承知してくれましたので、もう少しで拝借してしまうとこだったんです。ですから、ただいまのベルがもう少しおそければ、万事用は済んで、ぼくは帰るとこでした」
と、ジョンが説明すると、オーデル氏は、怒声をはりあげて、
「チキショウ!夫の留守を幸いに、若い男に大事なものを貸すなんて、けしからん女房だッ!」
西洋風流小咄集 より
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