隣接陣地

ある連隊が、いなかの町へ演習にいきました。小さな町では、宿屋がただの一軒しかなく、しかも、部屋が一つ、ベッドも一つしかありませんでした。
ご老体の連隊長と年若い副官、部屋へ通ったものの、さて、どうして寝ようかと思案の末、若い副官は遠慮して、連隊長どのをベッドに寝かせ、自分はイスに寝ようとしました。
ところが、人情家の連隊長、
「それは気の毒だ。なあに、かまわんから、このベッドでいっしょに寝よう」
さて、その翌朝、若い副官が、まだ、ぐっすり眠っていると、連隊長が、とつぜん、大声をあげました。
「副官、副官、ありがたい!いや、まったく、こんなになるのは十年ぶりじゃ!」
副官、おずおずと答えました。
「連隊長どの、そ、そ、それはわたしのでございます」
会議が深夜におよんだので、会員のオット君は女史の家へ泊めてもらうことになった。
ベッドに入ってからトイレに行きたくなったが、場所がわからない。そこでオット君はおそるおそる寝室のドアをノックして呼んだ。
「メケラ先生、メケラ先生・・・」
中から女史の声がきこえて来た。
「シーッ、静かに・・・。いま、カギをあけるから・・・」
ご老体の連隊長と年若い副官、部屋へ通ったものの、さて、どうして寝ようかと思案の末、若い副官は遠慮して、連隊長どのをベッドに寝かせ、自分はイスに寝ようとしました。
ところが、人情家の連隊長、
「それは気の毒だ。なあに、かまわんから、このベッドでいっしょに寝よう」
さて、その翌朝、若い副官が、まだ、ぐっすり眠っていると、連隊長が、とつぜん、大声をあげました。
「副官、副官、ありがたい!いや、まったく、こんなになるのは十年ぶりじゃ!」
副官、おずおずと答えました。
「連隊長どの、そ、そ、それはわたしのでございます」
西洋風流小咄集 より
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独身女史
ユトレヒトの独身クラブ会長メケラ女史の家で、独身クラブ総会があった。会議が深夜におよんだので、会員のオット君は女史の家へ泊めてもらうことになった。
ベッドに入ってからトイレに行きたくなったが、場所がわからない。そこでオット君はおそるおそる寝室のドアをノックして呼んだ。

中から女史の声がきこえて来た。
「シーッ、静かに・・・。いま、カギをあけるから・・・」
西洋風流小咄集 より
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公開日:
最終更新日:2018/08/12